au TOM's、富士で開幕2連勝 坪井/山下組が圧巻V

史上初の4連覇に向けて早くも2連勝

SUPER GT 2026年シーズン第2戦「FUJI GT 3Hours RACE GW SPECIAL」が5月3日、4日の両日、静岡県・富士スピードウェイで開催され、決勝レースは4日午後2時にスタートした。ゴールデンウィーク中の開催とあって、2日間で延べ86,300人のモータースポーツファンが詰めかけた。気温24度、路面温度43度の好コンディションの下、2回の給油が義務づけられた3時間の長丁場を制したのは、au TOM'S GR Supra 36号車(山下健太/坪井翔組)。開幕戦の岡山に続く2連勝、昨年最終戦から数えれば3連勝という快挙を達成し、史上初の4連覇に向けて視界良好の戦いを見せた。

ポールポジションから発進した14号車が序盤からペースを上げ、2番手スタートの36号車を引き離す展開に。一方、4位を走っていたKeePer CERUMO GR Supra 38号車(大湯都史樹/小林利徠斗組)は、3位を走るMOTUL Niterra Z 23号車をテール・トゥ・ノーズで激しく攻め立てたが、14周目の最終コーナーで接触。23号車はスピンを喫し、38号車は3位に浮上したものの車両前部にダメージを負い、加えてドライブスルーペナルティの裁定を受けて大きく順位を落とした。さらに47周目には、13番手スタートからアレジが好走を見せていた37号車がストレート上で突然スローダウンし、無念のリタイア。フルコースイエローも発令される波乱の展開となった。

レースが大きく動いたのは残り1時間を切った2回目のピットストップ。それまで14号車と15秒前後の差で2番手を走行していた36号車は、55周過ぎから坪井がハイペースで追い上げを開始。76周終了時点で4秒差まで肉薄したところでピットインし、ドライバー交代を行わず給油とタイヤ交換のみで素早くコースへ復帰した。その2周後にピットインした14号車は、福住への交代を行ったものの新品タイヤが温まらず、コース復帰直後に36号車にパスされる形に。アンダーカットを決めた坪井は事実上の首位に浮上すると、終盤には2位との差を10秒以上にまで広げ、圧巻のトップチェッカーを受けた。

12番手からスタートした39号車は、関口、フェネストラズの粘り強い走りで4位までポジションを上げ、最終的に3位の23号車まで1秒差に迫る健闘を見せた。19号車も10位入賞を果たし、TGR勢にとっては実りのある一戦となった。

優勝した36号車の坪井翔は、「2位からスタートして優勝することができました。決して楽なレース展開ではなかったんですが、チーム全員がそれぞれやるべきことをしっかりやった結果、優勝という形で終わることができたので、ちょっと出来過ぎですけれども、去年のリベンジを達成できてまずは良かったかなと思います」と振り返った。最大のポイントとなった2回目のピット戦略については「やはり後半勝負かなとは思っていて、そこでしっかり14号車と差を縮めることができました。チームの完璧な作戦でアンダーカットに成功したのがハイライトだったと思います」と述べ、チームの作戦勝ちを称えた。次戦に向けては「燃料リストリクターが入ると思いますが、そうなると今までと戦い方が変わります。3ヶ月空くので、どう戦うかチームと考えてしっかり準備していきます」と気を引き締めた。

第1スティントを担当した山下健太は、序盤にマシントラブルを抱えながらも2位を死守した。「自分のスティントは本来のペースでは走れず、14号車に差を広げられてしまったんですが、淡々と自分のペースで走り、2位で無事に繋げられて良かったですし、その後のピットの戦略と、坪井選手の速さで巻き返してくれて素晴らしかったです」と、苦しい状況下での冷静な走りをチームメイトのリカバリーに繋げたことを語った。さらに「40kgを積んでの開幕2連勝は、なかなかできることではないし、そんな状況でこれだけ大差をつけて勝てたというのは、本当にチームと坪井選手の力だと思います」と謙虚に勝因を分析。次戦の燃料リストリクター導入については「ウェイトが重くなる中でポイントを取っていくというのは、SUPER GTの重要なところというか、難しいところでもありますが、今の自分たちにはその中でもポイントをしっかり取れる力はあると思います」と、王座防衛への自信を覗かせた。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

石川 温/Tsutsumu ISHIKAWA

月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜午後8時20分からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで「趣味どきっ! はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(エムディエヌコーポレーション)がある。ニコニコチャンネルにてメルマガ(https://ch.nicovideo.jp/226)も配信。

-モータースポーツ