シャープ、カメラモジュールを内蔵した車載ディスプレイを展示【CES 2023】

シャープはアメリカ・ラスベガスで開催されている世界最大級のテクノロジー展示会「CES」に出典。カメラやテレビなどの展示を行っている。ちなみにブースはメイン会場となるLVCC(ラスベガスコンベンションセンター)ではなく、近接ホテルのウィン・ラスベガスホテルの宴会場「Petrus」となっている。

 自動車関連では、自動車メーカーなどに納品されているディスプレイやカメラが展示されていた。

 初出展となる「ドライバーモニタリングシステム」はディスプレイ上部にカメラを内蔵し、ドライバーの視線や顔の向き、まばたきなどを検知して、ドライバーを見守ることが可能だという。自動車メーカーからは「カメラをもっと目立たないようディスプレイに埋め込むことはできないか」といった要望が寄せられているという。

カメラモジュール内蔵型ディスプレイ

 「クリックディスプレイ」は高感度の圧力センサーと振動などによって得られる感触のフィードバックによハプティクス技術を融合した新開発のディスプレイとなる。十字キーや音量キーなどを凹凸形状で成形するだけでなく、ハプティクス技術により、画面を押した感覚が得られるようになっている。実際に画面をタッチしてみたが、物理的には押せていないのだが、振動と音によって実際に押しているクリック感覚が得られたのがおどろきだった。

もうひとつ展示されてのが視野角制御ディスプレイだ。ダッシュボード部分にディスプレイを装着する際、助手席側からは映像が見られるが、運転席側からは観られないような設定することが可能だ。これにより、助手席側はテレビやYouTubeを観ることできる一方で、運転席側は何も見えないという状況が実現できる。

もちろん、設定を変え、静止画であれば運転席側でも画面を見られると言うことも可能だ。

さらにガラス部分が曲がった状態で、2枚のディスプレイを内蔵した「Super long Display」も展示されていた。メーカーのデザイナーとしては1枚の長いディスプレイをクルマの端から端まで内蔵したいという要望があるようだが、1枚のディスプレイではどうしてもコストがかさんでしまう。このような曲がったガラスに複数のディスプレイを内蔵した方がコストを抑えつつ、デザイン性を高めることができるとされている。

Super long Display

昨今、高級車ではダッシュボードには大きな画面とさらにディスプレイが複数枚、搭載されることが当たり前となってきた。ドライバーの状況を見守るカメラとともにシャープのディスプレイの需要も世界で高まることになりそうだ。

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石川 温/Tsutsumu ISHIKAWA

月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜午後8時20分からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで「趣味どきっ! はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(エムディエヌコーポレーション)がある。ニコニコチャンネルにてメルマガ(https://ch.nicovideo.jp/226)も配信。

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