Qualcomm Technologiesは1月4日（現地時間）、Snapdragon Ride Flex SoCを発表しました。
Flex SoCは、デジタル・コックピット、ADAS、AD機能を1つのSoCで共存させることが可能です。最高レベルの自動車安全性を満たすように設計されたFlex SoCは、特定のADAS機能の分離、干渉からの解放、サービス品質（QoS）をサポートするハードウェアアーキテクチャを実現します。
さらに、Flex SoCは、運転支援安全システム、デジタル再構成可能クラスタ、インフォテインメントシステム、ドライバーモニタリングシステム（DMS）、パークアシストシステムなどの並行処理を可能とし、マルチオペレーティングシステムの同時動作、分離型仮想マシンによるハイパーバイザの実現、リアルタイムOSをサポートするソフトウェアプラットフォームを実装しています。
Flex SoCは、業界で実績のあるSnapdragon Ride Visionスタックにあらかじめ統合されています。
規制要件を満たすためにフロントカメラを使用し、車両制御アルゴリズムに入力する車両周辺の環境モデルを作成するためにマルチモーダルセンサ（複数のカメラ、レーダー、ライダー、地図）を使用して、拡張性が高く安全な運転支援および自動運転体験を可能にします。 Snapdragon Ride Visionスタックは、NCAP（New Car Assessment Program）の要件と欧州のGSR（General Safety Regulations）を満たすとともに、より高いレベルの自律性を実現するために拡張されています。
Flex SoCファミリーは、オープンかつスケーラブルで高性能、電力効率に優れた自動車用ソリューションの開発における当社の継続的な成功に基づき、Snapdragon Digital Chassis Platform内の幅広いSoCポートフォリオと互換性を有しています。Flex SoCは、エントリーレベルからプレミアム、ハイエンドまでのセントラル・コンピューティング・システムに対応し、性能の拡張性を高めるように最適化されているため、自動車メーカーは自社の車種に適した性能ポイントを柔軟に選択することができます。この機能により、自動車メーカーは、没入感のあるハイエンド・グラフィックス、インフォテインメントおよびゲーム用ディスプレイ、リア・シート・エンターテインメント・スクリーンなどを備えた統合計器クラスタと、レイテンシが重要なプレミアム・オーディオ体験や統合前のSnapdragon Ride Visionスタックを同時に使用するなど、複雑なコックピット用途を実現することが可能になります。これらの性能要件は、ハードウェアとソフトウェアの協調設計を活用することで実現できます。
また、Flex SoCは、次世代のソフトウェア定義車両（SDV）ソリューションを強化する理想的な車載中央演算プラットフォームとして設計されており、クラス最高の高性能で異種混在型の安全な演算を実現し、柔軟で重要なクラウドネイティブワークロードを実行する能力を備えています。車載用コンピュートは、コンテナ化されたインフラストラクチャに展開可能な豊富なプラットフォーム・ソフトウェアによって補完されています。Flex SoCは、クラウド開発運用（DevOps）および機械学習運用（MLOps）インフラの一部として統合できる仮想プラットフォームシミュレーションのサポートを含む、クラウドネイティブな自動車ソフトウェア開発ワークフローでサポートされています。
最初のSnapdragon Ride Flex SoCは、2024年からの生産開始を目指し、現在サンプリング中です。
Qualcomm Technologies, Inc.のオートモーティブ部門シニア・バイス・プレジデント兼GMのNakul Duggalは「当社は、車載コンピューティングイノベーションの最前線であり続け、ソフトウェア定義車両の時代を迎え、Snapdragon Ride Flex SoCファミリーは、高性能で電力最適化が行われたミックスクリティシティアーキテクチャの新しい設定点を定義しています。当社は、ハードウェア、ソフトウェア、ADAS/ADスタックソリューションの統合済みスイートにより、自動車メーカーやティア1がすべての車両層で統合されたオープンかつ拡張可能なアーキテクチャへの移行をより簡単に、よりコスト効率よく行えるようにするとともに、エコシステムが当社のプラットフォームで差別化し、市場投入までの期間を短縮できるようにします」と語りました。
