トヨタ、「bZ4X」を5月12日に発売

トヨタ自動車は新型BEV「bZ4X」を5月12日に発売すると発表しました。

ただし、日本においては、EVに対するお客様の不安解消と、電池の全数管理と3R推進によるCNへの貢献を目指し、全数リース販売となります。個人のお客様には、長く・安心してご利用いただき、かつ利用期間を通してお客様に寄り添ったサービスを提供していくことを目指し、サブスク「KINTO」での提供となります。法人向けは、全国のトヨタレンタリース店ならびにトヨタモビリティサービス(東京地区)からのリースでの提供となります。

5月12日より第1期として3000台分の申込受付を開始。秋ごろに第2期以降順次申込を受け付け、初年度は5000台分の生産・販売を予定しています。

充電インフラの拡充にも取り組んでいきます。今後のEV普及進度を踏まえつつ、2025年を目途に、全国のトヨタ販売店に急速充電器を設置していく計画です。まず本年は、EV需要が高い地域を中心に順次設置を進めていきます。

トヨタは、BEV専用プラットフォームをベースとするTOYOTA bZシリーズの導入にあたり、以下4つの目標価値を定めています。bZ4Xは、これらを踏まえ開発した、ミディアムセグメントSUV型BEVです。

You & Othersヒトとヒト
快適な移動空間に加え、大切な家族や仲間と過ごすかけがえのない時間と新しいライフスタイルを提供

どの座席に座っても広く静かで心和らぐ空間

BEV専用プラットフォームによる、ひとクラス上の広い室内空間

  • Dセグメントセダン並みのタンデムディスタンス(前後シート間距離)1,000mmを確保
  • 足元の広さ(レッグルーム)も、前後ともミディアムセグメントSUVクラストップレベル

自宅にいるような居心地

  • 低い位置のインストルメントパネル、パノラマムーンルーフ(装着車を設定)により解放感を創出
  • 落ち着いた室内を演出するファブリック張りのインストルメントパネル

乗員どうしの会話も弾む、静かな空間

  • 遮音性の高いガラス、風切り音の減少などにより、走行中でも明瞭な会話が可能な静粛性
  • 全く新しいクルマでありながら、安心して使えるBEV性能

走行時の省エネ性能向上と実用上(特に冬場の)航続距離の確保空力性能の追求(Cd. 0.28)、ボディ・ユニットの軽量化に加え、走行以外の消費エネルギー、特に冬場の暖房による消費電力を減らすため、以下の機構・装備を採用

  • ヒートポンプ式エアコン(なおエアコンには、乗員の周囲のみを暖め、特に冬の電力消費を抑制する、オールオート(ECO)ボタンを設定)
  • シートヒーター、ステアリングヒーター、前席乗員足元の輻射ヒーター(トヨタ初)

短い充電時間

  • 世界各地域の高出力充電にも対応(DC急速充電では150kWに対応。90kW充電器では、40分で充電量80%まで充電可能。なお、実際の充電時の状態により充電時間は変わります)
  • 普通充電(200V、6kW・30A)では約12時間でフル充電可能

You & Your Carヒトとクルマ
BEVならではの運転の楽しさ、可能性を期待させるワクワク感の提供

SUBARUとの共同開発を通じて磨き上げた走りの魅力と実力…「電動車は退屈」という常識を覆す、滑らかで意のままになる走行性能と、本格SUVとしての走破性を実現

e-TNGAの考え方に基づく、BEV専用プラットフォームの採用
低重心化、高剛性化を推進低重心化の取り組み

  • 薄型大容量電池パックを床下・平置きで配置
  • モーター、トランスアクスル、インバーターを一体化したeAxleを採用(トヨタ初)
  • 充電機能と電力分配機能を集約したElectricity Supply Unit(ESU)を採用(トヨタ初)

高剛性化の取り組み

  • 主要骨格部位にホットスタンプ材、高張力鋼板を用いた軽量・高剛性なボディ構造を採用
  • 電池パックとその周辺、BEVユニットやラジエータ搭載部、前後サスペンション周りなど、各部の剛性を向上

モーター駆動の特性を活かした走り

  • 素早いレスポンス、リニアな加速感、高精度な出力制御(加減速のコントロールとドライバーのペダル操作の軽減、滑りやすい路面のスリップ抑制制御など)
  • 前後モーターの独立制御(4WD車)による、回頭性や操縦安定性の向上
  • SUBARUのAWD技術、X-MODEを採用(4WD車、トヨタ初)。また、X-MODEの新たな機能としてGrip Controlを新開発し搭載。モーター駆動の特性を活かすことで、日常ユースからライトオフロード以上の走行まで対応、BEVの期待を超える高い走破性を実現
新しいドライビング体験を支えるコックピット(メーター、操作系)

メーターの見やすさを重視したコックピット

  • メーターをステアリングホイールの上側を通して見えるように配置したトップマウントメーター(トヨタ初)。視線移動を少なく遠視点化し、見やすさを重視
  • ステアリングコラムを含めた運転操作系を操作しやすいようモジュール化、手元からメーターの視線誘導を促す羽衣のような形状を採用

ステアバイワイヤ5と異形ステアリングホイールを組み合わせたワンモーショングリップ(トヨタ初)

ステアリングホイールとタイヤの間にメカニカルな結合のない、ステアバイワイヤを一部車種に採用。特徴は以下の通り

  • ステアリングの回転角度を持ち替え不要な約±150°に設定。Uターンや車庫入れ、ワインディングロード走行時などでドライバーの負荷を大きく低減
  • ドライバーが感じる操舵トルクとタイヤの転舵角度を独立に制御することにより、操舵感を向上。ドライブモードセレクトと連動し、ステアリング特性を変更
  • タイヤからの不要な振動は遮断しながらロードインフォメーションなど必要な振動のみ伝達。
    路面の凹凸を乗り越えるような場合や、レーントレーシングアシストの作動時なども、タイヤの動きを制御し、車両の安定性を確保
  • ワンモーショングリップにより足元の空間が広まり、ドライビングポジションの自由度や乗降性が向上

ダイヤル式シフト(トヨタ初)

  • より直感的で簡便な操作を実現
BEVの斬新さとSUVの迫力を表現したスタイリング

Hi-Tech and Emotionというデザインテーマのもと、BEVの先進感とクルマ本来の美しさを融合した造形にチャレンジし、先進的なスリークさとSUVらしい力強さを両立したスタイリングを目指しました。

サイドビュー

四隅に配置したタイヤによる長いホイールベースを活かした、スリークなプロポーションとリフトアップしたSUVらしさの融合による新しいシルエットを実現

フロントビュー

従来車のラジエータを象徴したセンター強調のテーマと異なる、空力アイテムが織り込まれたコーナー部と、上下に薄いバンパー形状により、BEVの独自性を表現。また、フードからヘッドランプ上部へと連続する、特徴的なハンマーヘッド形状で独自性にチャレンジ

リヤビュー

リヤコンビネーションランプ、バックドア、バンパーは、タイヤへ向かう台形のテーマとし、低重心で力強いスタンスを表現

最新のインフォテインメントシステム

マルチメディアシステム

クラウド上の地図情報を活用し、交通情報や駐車場の空き情報をリアルタイムで取得するコネクティッドナビを採用。通常のナビゲーション機能に加え、移動支援、充電施設表示、航続可能エリア表示等、BEV専用の機能にも対応

音声認識機能の充実

ワイパーやエアコンなども動作可能

OTA(Over the Air, 無線通信)によるソフトウェアアップデート

最新の予防安全パッケージToyota Safety Senseと、マルチメディアシステムは、OTAにより販売店へ入庫することなく性能向上のためのソフトウェアアップデートが可能

デジタルキー

スマートフォンを携帯していれば画面操作なしでロック、アンロック、システムスタートが可能。スマートフォン間でデジタルキーの受け渡しが可能なため、家族や友人間で離れた場所での車両の貸し借りも容易

クルマがWi-Fiスポットとなる「車内Wi-Fi」を採用。全車標準装備のDCMを通じ、データ通信容量無制限でスマートフォンやゲーム機などインターネットに接続可能

You & the Environmentヒトと地球
CO2排出量など、マイナスを減らすだけではなくプラスを生み出す

エネルギーをつくり出すBEV

ソーラー充電システム(メーカーオプション)

1年間で走行距離1,750km、1日最大で約11.6km(社内試算値)に相当する発電量を生成し、優れた航続可能距離に貢献。充電スタンドがない駐車場等でも充電可能なほか、災害時など緊急時でも、太陽光による充電が可能。走行中に発電した電力は、補機バッテリー系統の消費を補う設定

リサイクルをはじめとする、CO2低減へのより積極的な取りくみ

電池3R(リビルト、リユース、リサイクル)

世界トップレベルの電池容量維持率を確保し、電池のクルマ向けリビルト、蓄電システムへのリユースにも積極的に取り組み。また、電池リサイクルへの取り組み推進により、電池に利用されている貴重な資源を最大限に活用し、次世代のクルマへ循環させることにもチャレンジ

リサイクル素材を積極的に採用

You & Societyヒトと社会 安心・安全な社会づくりへの貢献

最新の予防安全性能

最新のToyota Safety Sense

モビリティ社会の究極の願い「交通事故死傷者ゼロ」の実現に向けて、bZ4Xでは進化したToyota Safety Senseを採用。ミリ波レーダーおよび単眼カメラの検知範囲拡大により、各機能の性能向上や一般道での支援を行う新機能を追加。事故の防止や交通事故死傷者のさらなる低減と、ドライバーの負担軽減を目指しています。

  • 「プリクラッシュセーフティ」
    車両、歩行者、自転車運転者に自動二輪(昼)を加え検知範囲を拡張し、衝突回避または被害軽減に寄与。事故割合が高い交差点での支援拡大
    1. 交差点右折時に隣接する2レーンから直進する対向車両、右左折時に前方から横断してくる歩行者と自転車運転者に加え、交差点で交差する車両、自動二輪車も検知
    2. 低速時、自車直前の歩行者や自転車運転者、車両を検知し加速を抑制する“低速時加速抑制機能”。パーキングサポートブレーキ(静止物)とあわせ低速域での検知対象を拡大
    3. 緊急時、ドライバーのステアリング操作をきっかけに操舵をアシストする“緊急時操舵支援機能”
  • 「プロアクティブドライビングアシスト」
    1. 「歩行者の横断」「飛び出してくるかもしれない」など、運転の状況に応じたリスクの先読みを行うことで、歩行者や自転車、駐車車両に近づきすぎないようにステアリング・ブレーキ操作をサポート
    2. 先行車や前方のカーブに対して減速操作をサポートし、頻繁な踏みかえ操作を軽減

その他充実の安全・安心装備

  • 安心降車アシストを採用。降車時、後方からの接近車両(含む自転車)が開いたドアもしくは降車した乗員と衝突する可能性が高いとシステムが判断した場合、ドアミラー内のインジケーターの点滅、メーター表示、ブザー吹鳴により注意を促します。

高度運転支援技術「トヨタチームメイト」の「アドバンストパーク(リモート機能付)」を採用
並列駐車時の支援を拡大。従来のバック駐車に加え前向き駐車に対応し、前向き/バック出庫が可能。また、ドライバーがスマートキー携帯時に、車外から専用アプリをインストールしたスマートフォンを操作することで、駐車および出庫が可能なリモート機能も採用。子供や高齢者の方を広い場所で乗り降りさせたい時やラゲージから荷物を取り出す際など駐車時の使い勝手を向上

EVに求められる衝突安全性能の追求

乗員、バッテリー、衝突相手のクルマを守る全方位衝突対応構造を採用

  • BEVユニットコンパートメントに左右のフロントサイドメンバーを強固につなぐクロス骨格を設定、衝突のエネルギー吸収効率を向上
  • 車両前方に2つのクロス部材を配置し、相手車両への加害性を低減
  • 床下の電池パック全面搭載を実現するため、キャビン前側に強固な枠骨格を形成
  • 前面衝突・側面衝突それぞれにおいてキャビンや電池パックを安定的に保護するため、衝突時の入力荷重を複数経路に分散させる構造を採用
電池の安全性

電池不具合を「防止する」「兆候から検知する」対策の強化と、新技術の導入により、万が一の状況に対して安心・安全を確保する設計・多重監視システムを採用

  • セルの異常発熱の原因となる異物が混入したとしても異常発熱しない設計をした上で異物混入を排除する製造プロセスを徹底
  • 電池の電圧・電流・温度を多重で監視。異常発熱の兆候を検知し、発熱を防止
  • 電池パックの冷却液が漏れても電池に冷却液が触れない設計をするとともに、電池に冷却液が触れても短絡(ショート)での発火を防ぐ、高抵抗タイプの冷却液を新採用
  • ボディと一体となり万一の衝突時の保護性能確保に寄与する大容量電池パックを新採用
外部給電機能

DC外部給電機能(V2H、V2L)(日本仕様)

  • アウトドアや災害時などの緊急時に、給電器を接続し、大出力の電力を住宅や家電に供給可能
  • 家庭用太陽光発電と併用し、日中は太陽光発電で家に電気を供給、余剰電力は給電器を通じて車両を充電、また夜間は車両にためた電気を自宅用の電力として使うことも可能
  • この記事を書いた人
  • 最新記事

MobiliTech編集部

クルマ×モビリティ×テクノロジー。MaaSの今がわかるサイトです。最新記事や業界動向をアップしていきます。プレスリリースはmt@mobilitech.jpにお送りください。

-EV, ニュース
-,