鴻海がCOMPUTEXで示したEV開発の「PC革命」!三菱自動車採用のリファレンスモデルで効率8割向上へ

2025年5月20日、鴻海科技集団(フォックスコン)は、COMPUTEX 2025にて開催された基調講演で、三菱自動車が鴻海の子会社であるFoxtron Vehicle Technologiesが開発した電気自動車(EV)モデルをリファレンスモデルとして採用した発表についてあらためて言及。

鴻海の劉揚偉(Liu Young-way)会長は、ゲストとして登壇したNVIDIAのCEO ジェンスン・ファン氏との対談の中でこの件を「良い知らせだ」 と述べ、昨年開催された鴻海テクノロジーデー(HHTD)で披露されたEVモデルが三菱自動車に選ばれたことを確認。これは、Foxtron Vehicle Technologiesが三菱自動車と、当該EVモデルのOEM供給に関する覚書(MOU)を締結したことに基づくものである。

このMOUによると、Foxtronが開発したEVモデルは、台湾の裕隆汽車(Yulon Motor Co., Ltd.)が製造を担う予定。市場投入は2026年後半にオセアニア地域(オーストラリアおよびニュージーランド)で計画されており、三菱自動車が昨年発表した2030年までの製品計画の一部とされている。このモデルは、EVとしての優れた走行性能と先進のインフォテインメントシステムを備えており、オセアニア地域に最適であることが述べられている。

劉会長は基調講演の中で、鴻海が推進するEVリファレンスモデル戦略の利点に改めて触れ、顧客である自動車メーカーがこのモデルを活用することで、開発作業の約80%を削減できる と強調した。これはPC業界のリファレンスデザインと比較され、顧客の製品開発期間短縮とコスト削減に貢献する考えが示された。

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中山 智/Satoru NAKAYAMA

海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。

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