ホンダ初の量産EV「Honda e」を購入して1年が経過しました。
走行距離は4000キロほど。本当であればもっと頻繁に遠出をして走りまくりたかったのですが、コロナ禍での緊急事態宣言で、地方出張の予定が全く入らなくなったり、久々に出かけられるかと思ったら、大雪が降ってしまって、取材案件が延期なるなど、出かける予定のキャンセルが相次ぎました。2年目はもうちょっと出かけられるようになるといいのですが。
1年前、Honda eを購入したきっかけは2020年1月、ソニーの吉田憲一郎社長が「これからはモバイルからモビリティの時代になる」と宣言したのを聞いたからです。
筆者は「スマホジャーナリスト」として、これまで20年近く、ソニーからソニー・エリクソン、さらにソニーモバイルときて、またソニーに戻った、ソニーの携帯電話事業を取材し続けてきました。Xperiaというブランドで、一時は赤字が続いていましたが、ようやく黒字化が見込めるなど、なんとか復活しつつあります。
ずっとXperiaを作っていたソニーが「これからのメガトレンドはモバイルからモビリティになる」(吉田社長)といい、試作したEVである「VISION-S」を発表したのです。
吉田社長のプレゼンを見て、モバイルであるスマホジャーナリストもモビリティを研究しなくてはという気持ちになってきたのです。とはいえ、なかなか欲しいクルマが見つかりません。自宅は一軒家なのですが、とにかく幹線道路から自宅まで行く道が狭く、さらに駐車スペースもコンパクトカーでなんとか入るぐらいしかありません。EVとしては、数年前、シリコンバレーに住む知り合いがテスラに乗っていて、助手席にも乗せてもらったことがあり、結構、気になっていたのですが、サイズ的に無理があります。また、SNS上の知り合いも、EVを買うほとんどの人がテスラを購入していたので「いまさら自分が買うのもなぁ」という気持ちになっていました。
そんななか、ホンダが量産EVである「Honda e」を発売しました。数年前、東京モーターショーで参考展示されているのを見て「こんなカタチのまま、出るわけない」と思ってたら、ほぼそのままのカタチで発売。しかも、車内には5枚のディスプレイが並び、タッチで操作が可能。まるでスマートフォンのようなユーザーインターフェースに心を奪われました。さらに、アップル・Siriやグーグルの「OK、グーグル」のように、かけ声で反応してくれるAIエージェント「OK、ホンダ」が備わっているではありませんか。見た目だけでなく、ユーザーインターフェースもスマートフォンっぽいこともあり、一瞬で心を奪われてしまいました。
「スマホジャーナリストが買うのはこのクルマだ」と雷に打たれた気持ちで、ホンダのウェブサイトから試乗をお願いし、その日のうちに購入手続きに入りました。
その後、購入手続きから数ヶ月後の2021年4月に我が家に納車されたのでした。
自宅の駐車スペースには200Vのコンセントを新設。これで、夜間、Honda eを充電しておくことが可能になりました。やはり、自宅で充電できた方がEVのメリットを生かせるのは間違いありません。
1年間、載ってみての感想は「EVで確かに充電は面倒な時もあるけど、そこまでのストレスではない。買って良かった」という満足感です。
では、どこがストレスで、どんなところに満足しているのか。
これから始まる、この連載で、いろいろとご紹介していこうと思います。