DeNA、EV導入の敷居を下げるシミュレータ「FACTEV」を4月1日提供開始

 EV時代を制するのは自動車メーカーではなく、インターネット企業なのかも知れない。

 DeNAはEV転換シミュレータ「FACTEV(ファクティブ)」を2023年4月1日よりオートリース会社向けに試験提供したという。

 そもそも、DeNAは、一般的には「横浜DeNAベイスターズ」として知られているのではないか。2011年12月にDeNAが運営会社として球団を取得しているのだが、当時は「モバゲータウン」が人気のインターネット企業であった。

 同社は主にガラケー向けのポータルサイト兼SNSでユーザーを集め、その後はゲームで成長してきたのだった。

 事業の多角化を進めるなか、DeNAはカーシェアサービス「Anyca」を手がけたり、タクシー配車アプリ「Go」の前身となる「MOV」を開発していたこともあるぐらい、モビリティ事業にも積極的な会社だ。

 そんなDeNAが提供するFACTVというEV転換シミュレータを試験提供するという。

  企業がEVを導入しようと検討しても「実際にどれくらい走れるのか」「業務に耐えられるのか」というのが不安だったりする。

 FACTEVは普段、利用しているガソリン車やハイブリッド車の車検証、定期点検情報、運行管理台帳情報のいずれかと、普段、どれくらい走行しているかのキロ数を入力するだけで、購入すべき最適なEVを選んでくれるというものだ。

 FACTEVでは実用燃費や電費、気象情報など走行状況や環境を推定し、実用航続可能距離やバッテリー状況など性能を予測し、適正なEVを選定する。

 例えば、東京と札幌では、同じクルマであっても、気温が異なるため、実用航続可能距離に違いが出てくる。

 FACTEVはオートリース会社向けに試験導入されるが、2024年度中の商用化を目指すという。さらに今後はコネクテッドデータを含むさまざまなEVデータをクラウド上で編集・加工(実用性能、導入効果、バッテリー寿命などの予実管理、見える化など)するとともに、各社のEV情報を共通形式で各種サービス事業者(フリート管理、カーシェアリング、エネルギー、保険など)に提供するシステム構築を目指すという。

 

 

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石川 温/Tsutsumu ISHIKAWA

月刊誌「日経TRENDY」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。ラジオNIKKEIで毎週木曜午後8時20分からの番組「スマホNo.1メディア」に出演(radiko、ポッドキャストでも配信)。NHKのEテレで「趣味どきっ! はじめてのスマホ バッチリ使いこなそう」に講師として出演。近著に「未来IT図解 これからの5Gビジネス」(エムディエヌコーポレーション)がある。ニコニコチャンネルにてメルマガ(https://ch.nicovideo.jp/226)も配信。

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