キーワード:改正道路交通法
4月19日、衆院本会議で「改正道路交通法」が可決、成立しました。完全自動運転が可能となり、電動キックボードの交通ルールが定められる今回の改正案、どのあたりがポイントになるのでしょうか。
衆院本会議で可決、成立した改正道路交通法では、特定条件下でシステムがすべての運転操作を行う自動運転の「レベル4」が解禁となります。
レベル4関連は、今年度中にも施行され、運行が可能になります。特に期待されているのが、過疎地などの公道を、決まったルートで走行する無人のバス型車両となります。運転手は乗らず、無人運転の状態で走行。過疎地に住む住人を病院やスーパーマーケットに運ぶといった用途が期待されます。
運転に関しては、5Gネットワークを経由して、遠隔から監視を行ったりします。遠隔で監視する人には事故が起きた際の救護義務を伴います。
ちなみに、車両に運転手がいない自動運転を実際にサービスを提供するには、都道府県の公安委員会からの許可制となっています。
現在、様々な自治体などでモビリティ関連の実証実験などが行われています、今回の改正道路交通法により、一気に自動運転におけるバスが走り出すかも知れません。
ただ、今回の改正道路交通法では付帯決議がつけられており、レベル4の運行に携わる人の資格制度などを今後作っていくべきか、技術の進化や交通事故の状況を見極めて検討するようになっています。
また、ここ最近、街中で増えている電動キックボードにおいては、最高速度20キロ以下での自転車相当のサイズのものを「特定小型原付自転車」としました。運転免許はいらずに乗ることが可能ですが、16歳未満の運転は禁止となっています。
改正道路交通法(概要)
特定自動運行に係る許可制度の創設
○ レベル4に相当する、運転者がいない状態での自動運転(特定自動運行)を行おう
とする者は、都道府県公安委員会の許可を受けなければならないこととする。
○ 都道府県公安委員会は、許可をしようとするときは、市町村の長等の意見を
聴かなければならないこととする。
○ 遠隔監視のための体制を整えなければならないこととするなど、許可を受けた者の
遵守事項や交通事故があった場合の措置等について定める。
新たな交通主体の交通方法等に関する規定の整備
1 特定小型原動機付自転車(電動キックボード等)の交通方法等
○ 最高速度や車体の大きさが一定の基準に該当する車両を「特定小型原動機付自転車」 とする。
○ 特定小型原動機付自転車の運転には運転免許を要しないこととし(ただし、16歳 未満の運転は禁止)、ヘルメット着用を努力義務とする。
○ 特定小型原動機付自転車は、車道通行を原則とする。
○ 特定小型原動機付自転車のうち、一定の速度以下に最高速度が制限されており、
それに連動する表示がなされているものについては、例外的に歩道(自転車通行可
の歩道に限る。)等を通行することができることとする。
○ 交通反則通告制度及び放置違反金制度の対象とする。また、危険な違反行為を
繰り返す者には講習の受講を命ずることとする。
2 遠隔操作型小型車(自動配送ロボット等)の交通方法等
○ 遠隔操作により通行する車であって、最高速度や車体の大きさが一定の基準に 該当するものを「遠隔操作型小型車」とし、歩行者と同様の交通ルール(歩道・ 路側帯の通行、横断歩道の通行等)を適用する。
○遠隔操作型小型車の使用者は、都道府県公安委員会に届け出なければならないこととする。
運転免許証と個人番号カードの一体化に関する規定の整備
○ 希望者には、運転免許に係る情報を個人番号カードに記録することができることと
する。
○ 自動車等を運転するときは、上記事項が記録された個人番号カード又は運転免許証
を携帯していなければならないこととする。
その他
○ 全ての自転車利用者に対する乗車用ヘルメット着用の努力義務
○ 安全運転管理者の選任義務違反等に対する罰則の引上げ等
○ バス停等における駐停車禁止の規制から除外する対象の拡大