KDDIとWILLERが設立した合弁会社「Community Mobility株式会社」が2022年4月1日に事業を開始しました。
合弁会社は、エリア定額乗り放題サービス「mobi」 を提供します。現在、東京都渋谷区など6エリアで展開。今後は全国展開に向けて、まずは22エリアで、それぞれの地域ごとの課題とニーズに応じたサービスを検討していきます。
Mobiはアプリや電話で近所までの停留所にクルマを呼べるサービスで、半径2~3キロ程度の近所にある停留所まで自由に移動できるようになっています。ワゴン車に他のユーザーも「相乗り」するかたちとなるため、必ずしも最短距離で移動できるとは限りませんが、AIが最適なルートを算出して、効率よく移動できるのが特徴です。
サービス料金は月額一人5000円となりますが、家族で利用の場合、2人目、3人目はそれぞれ500円の追加で乗れるようになるため、子どもを連れた母親が保育園の送り迎えや習い事、買い物に行くのに重宝するサービスとなっています。
また、昨今、高齢者の運転免許証の自主返納が増加しています。2020年の返納件数は2011年の8倍となっています。さらに地方都市では過疎化が進み、利用者が減少することで、毎年1000キロを超える路線バスの走行区間が廃止となっています。高齢者を中心に移動手段がなくなることへの不安が増しており、地方自治体としても公共交通機関の確保が課題となっています。
さらに地方におけるバスやタクシーなどの輸送業者も、働き手の高年齢化、人材の確保に頭を悩ましています。バスやタクシーを効率的に運行するノウハウがないため、このようなAIを活用した配車プラットフォームが待ち望まれています。
設立発表会で村瀨茂高社長は「生活をリ・デザインしたい」と抱負を語りました。2021年4月現在、6エリアでサービスを提供していますが、総ライド数は約4万回で、ユーザーからは「移動が楽になった」「ライフスタイルに変化があった」という声が多かったようです。
ちなみに大阪北区・福島区では2022年4月1日より運行が開始されていますがあ、大阪の会員数は1300名、サブスク会員は700名、総ライド数は2500回となっています。
村瀬社長は「mobiの運行を行ってくれている運転手さんからは、お客さんとのつながりがふかまり、仕事にやる気を感じられるようになったという声を多くいただいています」と語っています。
このようなサービスはタクシーと競合するようにも見えますが村瀬社長は「タクシーとは違った新しい市場を開拓できると期待しています。むしろ、バスよりも近くで乗れて、目的地の近くで降りれるなど、タクシーとバスの間を埋める存在になれるのではないでしょうか」といいます。
Mobiでは他業種とのビジネスコラボレーションも展開していきます。例えば、イオンタウンとは、クルマを所有していない人がショッピングセンターに通えるよう、便利な移動手段としてmobiを活用。また、イーオンでは、子どもや大人まで幅広く通う英会話教室への移動手段としてmobiを活用する計画です。家族が送り迎えしなくても、自由に教室に通えるという環境となります。
さらに吉本興業では、全国47都道府県に住む「住みます芸人」とのコラボレーションを実施するといいます。
タレントセッションでは、吉本興業からミキ、空気階段、エルフの3組が参加。今月4月に東京進出してきたばかりのエルフ・荒川さんは「mobiしか勝たーん! ハッシュターグ!」とアピール。
子どもが生まれたばかりというミキ・昴生さんは「子どもと一緒に乗りたい」、空気階段・水川かたまりさんは「吉本は劇場が多いので、劇場の移動に使いたい」とそれぞれのmobi活用法を語っていました。
現在、サービスを提供中のエリア
東京都渋谷区、東京都豊島区、愛知県名古屋市千種区、大阪府大阪市北区・福島区、京都府京丹後市
今後の拡大予定エリア
北海道: 室蘭市、根室市
東北: 秋田県大館市、新潟県佐渡市
関東: 千葉県旭市、東京都港区
中部: 三重県明和町
近畿: 大阪府富田林市、奈良県
四国: 香川県三豊市、香川県琴平町