2022年10月10日から14日までUAE・ドバイで開催されたGITEX2022ではモビリティー関連の展示も多くみられました。キャデラックは2022年1月にラスベガスで開催されたCES2022で発表した次世代コンセプトカー「インナースペース・オートノマス・コンセプト(Cadillac InnerSpace Autonomous Concept)」を出展しました。CES2022ではCGだけの発表であり、実車の展示は今回が初めてかもしれません。その特徴的な外観の写真を撮影してきました。
インナースペース・オートノマス・コンセプトはキャデラックが2021年に立ち上げた将来のモビリティーを担うコンセプトカーの開発「Halo Concept Portfolio」の新しいプロジェクトです。自律運転可能な2シーターのEVクーペで、ラグジュアリーな室内空間は搭乗者を運転から解放、移動中の時間に新たな体験を与えてくれます。近未来のスポーツカーをイメージさせる、全体を流線型で覆ったデザインには思わず見とれてしまいます。
大型のドアを開けるとルーフも上に開き、車内のシートも外側に回転するとのこと。スポーツカーのため全高は低く、乗降時に乗り込みやすい構造にしているわけです。ドアとルーフが一体となった大胆なデザインですが、実は理にかなった構造になっているのです。ルーフはほぼガラスで上方の視界を遮りません。また前方はそのままフロントガラスの役目も果たします。
シートは深く腰掛けることのできるデザイン。移動中は快適な乗り心地を味わえそうです。室内は2人がゆったりと過ごせるだけの広さがあり、リラックスしたまま長時間の移動も苦になることはなさそう。
車内前方にはハンドルやアクセルはありません。前方にある大型モニタに様々な情報やコンテンツを表示可能で、移動中はこのモニタの表示に没頭することができます。自律運転なので運転中に前の景色を見る必要もないのです。またドアの内側にもモニタが搭載されています。
あくまでもコンセプトであり詳細なスペックは公開されていませんが、車内前方を大きく覆うモニタは全体を1画面として使ったり、地図とお店の情報のように分割表示もできるようです。
グッドイヤー製のタイヤは自然由来の原料を使ったサステナビリティを考えた設計。タイヤ内部で共鳴音を抑える「サウンドコンフォート」により早朝中の騒音も防ぐとのこと。タイヤメーカーも時代に合わせて新しいタイヤの開発を進めているわけです。
インナースペース・オートノマス・コンセプトはこのままの形で市販車として登場しても、違和感無く近未来の市街地に溶け込むだろうと感じさせるほどその外観の完成度はかなり高いと感じられました。これをベースに今後キャデラック/GMがどのように自立型EVを進化させていくのか、楽しみが増えるばかりです。