NVIDIAとメディアテックがスマート自動車向けチップセットで提携を発表

  • メディアテックの次世代自動車のスマートキャビンプラットフォーム「Dimensity Auto」でNVIDIAと提携
  • 車内インフォテイメントやADASに両社の技術を活用
  • Dimensity Auto向けチップセットにNVIDIAのGPU技術を搭載

台湾のチップセットメーカー、メディアテック(MediaTek)は5月29日、次世代自動車向けのAIキャビンソリューションでNVIDIAと提携すると発表した。両者の持つ豊富な自動車向け製品ポートフォリオの強みを組み合わせ、最先端のコネクテッドカーの実現に向け他に類を見ない最高のソリューションを提供する。

MediaTekの副会長兼CEO、Rick Tsai氏は、NVIDIAは、AIとコンピューティングの世界的なパイオニアかつ業界のリーダーであり、今回の提携は全世界の自動車産業に『次世代のインテリジェントなユーザー体験』かつ『常時ネットと接続されるコネクテッドカー』をワンストップで提供するという両者のビジョンを実現するものになる。この協業は高度な計算能力が要求されるソフトウェア・デファインド・ビークルのための唯一無二のプラットフォームを提供できるだろうと述べた。

NVIDIAの創業者兼CEO、Jensen Huangは、AIとNVIDIAのアクセラレーテッド コンピューティングは、自動車業界全体の変革を加速するものになる。SoC(統合型チップセット)で業界をリードするメディアテックと我々のGPUおよびAIソフトウェア技術の組み合わせは、大衆車から高級車まですべてのセグメントの自動車に新しいユーザーエクスペリエンスやより強固な安全性、さらに新しいコネクテッドサービスを実現すると述べた。

メディアテックは今後NVIDIAのAIおよびグラフィックIPを搭載する新型のNVIDIA GPUチップレットを搭載した自動車向けのSoCを開発する。

またメディアテックのスマートキャビンソリューションにはNVIDIA DRIVE OS、DRIVE IX、CUDA、TensorRTなどNVIDIAのソフトウェア技術が採用される。最先端のグラフィックス、AI、安全性、セキュリティ性を備えるAIキャビンとコックピット実現に必要なあらゆる機能が提供される予定だ。

ガートナーによると自動車向けのインフォテインメント用、インストルメントクラスタ用のSoCは、2023年に120億ドルのの市場規模に達すると予想されている。メディアテックとNVIDIAの協業は自動車業界におけるこれらのニーズと需要を上回るソリューションを提供し、両者に大きなビジネスの機会を与えるものになる。

さらにNVIDIAのAI、クラウド、グラフィックス、ソフトウェアなどの中核技術をADASソリューションに組み合わせることで、メディアテックはモバイルコンピューティング、高速接続、エンターテインメント、Androidの広範なエコシステムに関するテクノロジーを活用し、自社のDimensity Autoプラットフォームの機能を強化。次世代自動車車内のユーザー体験をよりスマートなものに変えていく。

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山根康宏/Yasuhiro YAMANE

香港在住の携帯電話研究家。スマートフォンを中心にIoT、スマートシティー、プロダクトデザインなどターゲット範囲は広い。年の大半を海外取材に費やしており、モビリティーの進化を日々体感している。

-EV, コネクテッドカー, 未分類
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