クアルコムは5月8日、子会社のクアルコムテクノロジーズがオートトークス社を買収する正式契約を締結したと発表した。
オートトークス社は、2009年からV2X通信に特化したファブレス半導体企業で衝突の低減とモビリティの向上を目的とした複数のV2X規格に対応した車載用デュアルモードグローバルV2Xソリューションを提供している。
オートトークス社の専門知識と製品に、クアルコムの20年にわたる自動車業界での経験とV2Xへの取り組みを組み合わせることで、V2Xソリューションの開発と導入を加速し、交通効率の向上とドライバーと道路利用者の安全確保に貢献することを目的にしているという。
この買収により、量産可能なデュアルモードのオートトークス社製スタンドアロン安全ソリューションが、クアルコムテクノロジーズの拡大するSnapdragon Digital Chassis製品ポートフォリオ(クラウド接続型自動車プラットフォームの包括的セット)に組み込まれる予定。
「当社は2017年からV2Xの研究、開発、展開に投資しており、自動車市場が成熟するにつれて、道路利用者の安全強化だけでなく、スマート交通システムにもスタンドアロンV2X安全アーキテクチャが必要になると考えています」と クアルコムテクノロジーズの自動車部門シニア・バイス・プレジデント兼GM、Nakul Duggalは語る。
「我々は、オートトークス社の数十年にわたる経験と、現実の道路利用者の安全に関する課題の解決に焦点を当てたV2X技術と製品の構築に取り組んできたことを共有しています。我々は、市場投入までの時間を短縮し、この非常に重要な安全技術の大量採用を可能にするグローバルなV2Xソリューションを提供するために協力することを楽しみにしています」
オートトークスのCEOであるHagai Zyssは「V2Xソリューションを通じて、交通・自動車産業の安全性に革命を起こすことが我々の使命です。我々の知識と専門性を結集することで、輸送効率と道路利用者の安全性を高める強力なV2X製品を提供できるだけでなく、V2Xの普及を加速させることができると確信している。クアルコムとともに自動車業界に貢献し、最高の技術を市場に投入できることを楽しみにしている」と語る。
この買収について、フォルクスワーゲン・グループのCARIAD社の最高経営責任者(CEO)、Dirk Hilgenberg氏は「当社はクアルコムテクノロジー社と緊密に連携して、最先端の技術とハードウェアで次世代車両を駆動し、自動運転の領域でお客様にプレミアム体験を提供しています。この空間では、V2X(Vehicle-to-Everything)通信技術がますます重要になり、自動車システムの安全性を確保するために不可欠であるため、我々はこの共同作業を歓迎します」とコメント。
、コンチネンタルオートモーティブのプロダクトライン・テレマティクス責任者のダグラス・コクレーン氏も「Qualcomm Technologies社とAutotalks社の両社と協力して、業界のインテリジェントモビリティを推進するだけでなく、V2X技術によって運転の安全性と効率性を高めることに貢献できることを楽しみにしています」とコメントを寄せている。