全日本スーパーフォーミュラ選手権の第6戦が7月16日に開催され、トップの座に輝いたのはローソンだった。
牧野がレースを引っ張り、10周を消化したところでタイヤ交換のウィンドウが開いた。この局面で佐藤、宮田、太田、大嶋和也(docomo business ROOKIE)、山下らが真っ先にピットインし、タイヤ交換を行った。その後すぐにローソンもピットに入り、見事な5秒8の短時間でタイヤ交換を終えた。
佐藤たちとの位置関係に変わりはなかったが、ローソンは出口で佐藤を上回る圧倒的なパフォーマンスを見せ、レースの趨勢を決定的にした。ローソンのアウトラップは他の多くのドライバーが2分03〜04秒だったのに対し、2分01秒388という驚異的なタイムを記録し、レースを支配した。
レースが進行する中、山本、平川、阪口、小高一斗(KONDO RACING)らはタイヤ交換のタイミングを遅らせ、山本が見た目上のトップに立った。しかし、早めにタイヤ交換を終えていたローソンや牧野は一貫して1分24秒台後半のタイムを刻み、次第に山本との差を縮めていった。
その後もレースは激化し、前半にタイヤ交換を済ませていたローソン、牧野、佐藤、宮田らが各々のポジションで競争を繰り広げた。中でも注目すべきは、タイヤ交換を遅らせた平川の活躍だ。レース終盤に追い上げを見せ、タイヤ交換を終えた佐藤や宮田を上回るペースで走り続け、最終的に4位でフィニッシュラインを越えた。
一方、今季3勝目を挙げたローソンは終始安定した走りを見せた。一方、PPスタートの牧野は、ローソンにアンダーカットを許してしまい、悔しい2位。宮田は踏ん張りを見せて3位。そして、予選20番手からジャンプアップを果たした平川が4位につけた。
この結果、ランキング争いは一段と熱を帯びてきた。現在の首位は宮田の86ポイントだが、今季3勝を挙げているローソンが僅か1ポイント差で迫っている。次戦・もてぎでのこの2人の差がどうなるか、そして、今回両者に差をつけられる形となったランキング3位の野尻の復活が期待される。