中日本高速道路、ETC障害で緊急会見 - 深夜割引改修との関連性を調査

中日本高速道路(NEXCO中日本)は4月6日、記者会見を開き、同日午前0時30分頃から同社管内の高速道路でETC(自動料金収受システム)の大規模なシステム障害が発生したと発表した。

障害は東名高速道路の清水インターチェンジなどで発生し、順次拡大。最大で76のインターチェンジ料金所や本線料金所、ETC専用のスマートインターチェンジに影響した。これにより、これらの料金所ではETCレーンが使用できない状況となった。

システム障害の影響で一部の料金所では渋滞が発生したため、NEXCO中日本ではETCを利用する顧客に対して、料金を徴収せずに料金所を通過させる措置を講じている。高速道路利用者に多大な迷惑をかけたとして、同社は謝罪した。

障害の原因について、同社は4月2日(土)に実施した深夜割引の見直しに向けたETCシステムの改造作業が関連している可能性が高いとの見解を示した。この改造作業は、複数の経路を通った場合の料金確認やデータ連携など、上位系のシステムに関わるものだったという。現在、不具合が発生する前の状態に戻す復旧作業を進めているが、現時点では復旧の見通しは立っていない。

システム障害が発生した料金所では、ETCレーンでバーが開かないなどの異常が発生した場合、利用者に通行券を取るよう呼びかけている。料金所出口では、通行券を持つ場合は一般レーン、それ以外の場合はETCレーンを利用するよう案内している。料金については後日、ホームページなどで支払い手続きを案内するとしている。入口、出口ともにバーが開かない可能性があり、安全に注意して通行するよう求めている。

NEXCO中日本によると、料金所の渋滞などの状況を踏まえ、利用者の安全確保と滞留解消のため、トラブル発生後速やかに料金無料での通行などの対応を決定した。無料措置の開始時間は料金所によって異なり、渋滞状況に応じて午前中から順次対応を開始した。

今回のシステム障害は、2005年の日本道路公団民営化以降、同社管内では初めての大規模なETCトラブルであるという認識を示した。サイバー攻撃の可能性については、現時点では痕跡は確認されていないとしている。

今後の方針として、NEXCO中日本は復旧作業を最優先に進め、原因の特定と再発防止策を徹底するとしている。復旧の見通しが立った段階で、改めて状況を報告するとしている。深夜割引の見直し計画についても、今回の障害の復旧状況を踏まえ、今後のスケジュールを検討する方針を示した。

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