日本初の小型燃料電池バスを東京アールアンドデーが開発

2022年4月8日

水素をエネルギーとする燃料電池自動車(FCV)はトヨタやHondaが開発を進めていますが、東京アールアンドデーは大手メーカーに先駆け日本初となる小型燃料電池バスの開発に成功。第18回 スマートエネルギーWeek 春(2022年3月16日-18日、東京ビッグサイト)で実車を公開しました。

日本初の小型燃料電池バス

FCスタックは最高出力45kW、駆動用には35Whのリチウムイオンバッテリーを搭載。モーターは直流200Wで最大トルクは1200Nm、最高速度は80km/hとのこと。エネルギー源となる水素のタンクは径350mm x 900mm、重量36㎏、耐圧は70MPaで容量は51L。これを3本搭載し1回の充填で最大110km走行できます。

51Lの水素タンク。これを3本搭載する

ベースの車体は日野自動車の日野ポンチョ・ロング。車体の大きさは全長6,990 x 全幅2,080 x 全高3,200mmで、定員は26名(座席13+立席12+乗務員1名)。新潟県からの事業委託を受け2020年までに車両及びシステム設計、車両開発を行い、2021年に各種性能試験やナンバー取得を行いました。2022年から新潟交通による営業運転が予定されています。

車体は日野ポンチョをベースとしている

新潟県では日本政府が2014年4月に策定した「エネルギー基本計画(第4次計画)」や、2014年6月に策定(2016年3月改定)した「水素・燃料電池戦略ロードマップ」、さらに2017年12月に策定された「水素基本戦略」等を受け、県として水素エネルギーの利用促進に取り組んでいます。FCVの普及にはFCステーションが必要となり、新潟市内に「イワタニ水素ステーション 新潟中央」を2019年4月に設置しました。これにより首都圏や東北から日本海側へFCVでの移動が可能となります。

小型FCバス開発の事業内容

なお中型の燃料電池バスはトヨタが量産車を開発し、最新モデル「SORA」が東京の「TOKYO BRT」で運行されるなど大都市などで生活の足として利用されています。車体の大きさは全長10,525 x 全幅2,490 x 全高3,350mmで、定員は77名(座席25+立席51+乗務員1名)。新潟県ではSORAの試験も過去に行っており、今後もFCV、FCバスの普及促進を進めていく考えです。

  • この記事を書いた人
  • 最新記事

山根康宏/Yasuhiro YAMANE

香港在住の携帯電話研究家。スマートフォンを中心にIoT、スマートシティー、プロダクトデザインなどターゲット範囲は広い。年の大半を海外取材に費やしており、モビリティーの進化を日々体感している。

-EV, ニュース