騒音60%減! ペンギン発想のマーレ新AI空調ファン、EVにも最適

マーレは、自動車の空調システム向けに、自然界の着想とAIを活用した革新的なラジアルファン「バイオニックラジアルファン」を発表しました。ペンギンの翼の形状をモデルに空力特性を最適化したこの新設計は、類似ファンと比較して騒音レベルを60%低減(4dB低減)し、効率を15%向上させます。特に搭載スペースが限られた電気自動車などの車両を念頭に設計されています。

開発にあたり、マーレはブレード形状の最適化にペンギンの翼の形状を参考にしました。また、AIツールを活用することで、エンジニアが入力した情報に基づき、3,000万件を超えるバーチャルデザインを瞬時に生成し、最適な形状と取付け位置を迅速に決定しました。このAIによる設計プロセスは「超人的エンジニアリング」と称されています。

バイオニックラジアルファンをエバポレーター正面に取り付けることで、空調システム全体の省スペース化も実現。これにより、特にバッテリー式電気自動車において、他のコンポーネントのためのスペースを確保できるというメリットがあります。マーレは、この技術を従来のファンに代わる革新的な選択肢として提案しています。

マーレグループマネージメントボードメンバーのJumana Al-Sibaiは、「この開発技術でMAHLEのシステム技術の高さと、最新鋭のAIを利用する優れたメリットが明確に示されました」と述べています。サーマル&フルードシステム事業部R&D Vice PresidentのDr. Uli Christian Blessingは、自然界からの着想とAI支援による開発の重要性を強調しています。

マーレは、このバイオニックラジアルファンを、2025年4月23日から5月2日まで上海で開催される上海モーターショーで世界初披露します。同社のブースでは、この他にも「バイオニック高性能ファン」や「バイオニックバッテリー冷却プレート」など、電動化に対応した熱管理技術が展示される予定です。

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MobiliTech編集部

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