Hondaが着脱式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:」をエネルギーWeekで展示

2022年4月2日

Hondaは着脱式の可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack e: 」を第18回 スマートエネルギーWeek 春(2022年3月16日-18日、東京ビッグサイト)で展示しました。同バッテリーは二輪車の電動化や交換可能なシェアサービス「BaaS(Battery as a Service)」の普及を視野に入れた製品です。なおHondaは4月1日にENESOなど5社と電動二輪車の共通仕様バッテリーのシェアリングソリューション提供を目的とする「株式会社Gachaco(ガチャコ)」を設立しています。

第18回 スマートエネルギーWeek 春のHondaブース

Honda Mobile Power Pack e:(商品型番DM5026Z)はリチウムイオン電池で、本体サイズは縦298 x 横177.3 x 奥行き156.3mm、重量は10.3㎏。定格電圧50.26V、定格容量26.1Ah、定格電力量は1314Wh。連続放電出力は2.5kW。IP65の防水防塵に対応し、小売り希望価格は8万8000円(税込)。上部は取っ手形状となっており、片手で取り外し・持ち運びが可能です。

Honda Mobile Power Pack e:

街中に設置しMobile Power Pack e: の充電や貸し出しが行えるバッテリー交換ステーションのプロトタイプ「Honda Mobile Power Pack Exchanger e: 」も展示されていました。余剰電力をMobile Power Pack e: へ蓄電する機能もあり、電力利用の効率化にも貢献できます。

充電ステーション「Honda Mobile Power Pack Exchanger e:」のプロトタイプ

Honda Mobile Power Pack e: に対応する市販車として、Honda e: ビジネスバイクシリーズの「BENLY e:」と「GYRO e:」の2種類も展示されました。BENLY e: は二輪タイプ、GYRO e: は3輪タイプで後部に荷台を持ち、どちらもMobile Power Pack e: を2つ搭載できます。

3輪タイプで後部に大型の荷台を持つ「GYRO e:」

Mobile Power Pack e: を2台搭載できる

コマツと共同開発した電動マイクロショベル「PC01E 1」は3月29日よりコマツが国内向けにレンタルを開始します。このPC01E 1は電動二輪車以外にMobile Power Pack e: が市場導入される初の製品とのこと。PC01E 1は建築機械のレンタルやシェアをより容易にするものとしても期待されいます。

Hondaとコマツが共同開発した電動マイクロショベル「PC01E 1」

二輪車や自動車以外の応用として、家庭用の「Honda Power Pod e:」のプロトタイプも展示されていました。家庭での補助電力としての利用や余剰電力の備蓄に使えるほか、キャンプ地や別荘など公共電力供給の無い場所でも安定した電力供給を可能とします。

家庭などで使えるHonda Power Pod e:。内部にMobile Power Pack e:を収納して使用する

Hondaは「MaaS(Mobility as a Service)」と「EaaS(Energy as a Service)」を組み合わせた「eMaaS」により人々の移動と暮らしがシームレスにつながるサー ビスの提供を目指しています。Mobile Power Pack e: はeMaaSの実現の中核製品となるだけではなく、カーボンニュートラルの推進を強力に後押しするものになるでしょう。

Hondaの目指すeMaaSの世界観
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山根康宏/Yasuhiro YAMANE

香港在住の携帯電話研究家。スマートフォンを中心にIoT、スマートシティー、プロダクトデザインなどターゲット範囲は広い。年の大半を海外取材に費やしており、モビリティーの進化を日々体感している。

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